メモリアルイヤー~中古マンション大躍進の3つの理由~

皆様こんにちは。

中古マンションマンです。

 

中古のマンションをこよなく愛する、中古マンションマンです。

 

 

2016年は、不動産業界にとってのメモリアルイヤーになりました。

  

ついに、、、

 

中古マンションの成約数が

新築マンションの供給戸数を

上回ったのです!!

 

首都圏に限った話ではあるものの、

 

・中古マンション成約件数:37,189件 (東日本レインズより)

新築マンション供給戸数:35,772件 (不動産経済研究所より)

 

という結果が発表されております。

 

色々な人がこのニュースに触れており、
SUUMOジャーナルのこの辺りの記事や、

news.livedoor.com

 

長嶋修さんのこの記事などは、

「固定金利契約であっても、金利上昇する可能性はゼロではない」という

衝撃の事実も、併せて知ることができました。

style.nikkei.com



中古の成約増の理由としては、下記の理由が上がっています。

 

新築マンションの過剰な価格高騰

・中古マンションの割安感

・中古マンションに対する抵抗感の低下

 

新築マンションの価格は資材・人件費の高騰と投資マネーの流入の影響で、

普通のサラリーマンには手の出ない価格にまで上がっているが、

それに比べると、相場上昇が続いているとは言え、中古マンションなら買いやすい。

リノベーションという選択肢も当たり前になってきたことから、

「中古=古い・汚い」という価値観が変わってきた、という状況のようです。



こんな要素もあるのでは?

ここからは、中古マンションマンの私見になりますが、

中古マンションという選択がこれだけ当たり前になった要因として、

以下の3つも寄与しているのではと考えています。



1. 住宅ローンが組みやすくなった

これは、かなり大きいと思っています。
数年前までは、住宅ローンを組める期間について、
「65年ー現状の築年数」などと、制限をかけている金融期間が多くありました。


今でもそのような制限を設けているところはありますが、
築年数は気にせず、例えば築45年の中古マンションにも
35年でのローンを組ませてくれるケースもあります。
重要事項調査報告書や長期修繕計画を確認する金融機関もあり、
中古マンションの「実際の価値」が評価されるようになってきていると感じます。

それから、リノベーションという選択が広がる中で、
中古マンション購入とリノベーション工事費を一本化で借りられる金融商品
の普及も、中古購入を考える人には追い風になっているでしょう。
個人融資で悩む地銀・信金などは、積極的に中古×リノベの一本化ローンに
取り組むのもいいかもしれません。

2. 都市型の暮らしへのシフト

人口の流入データも併せて見てみると、東京圏については、
人口の流入超過が続いています。

www3.nhk.or.jp



もう少し詳細に人口移動の流れを見る必要はあると思いますが、
以前の記事で書いたように、賃金の低下、共働き世帯の増加などの要因もあり、
「広々した郊外型の暮らし」から「コンパクトな都会型の暮らし」へと
都会で働く人々の価値観がシフトしているのかもしれません。

最近よく語られる「負動産」と「富動産」という考え方から見ても、
人口減少が確実な日本においてはあえて郊外の「負動産」を選ぶという
選択肢は減ってきているのかもしれませんね。

 

3. 中古=安全という認識の普及

中古=安全、という言い方は正しくないかもしれませんが、
2つの観点から中古マンションが見直されているのだと思います。

ひとつは、資産価値という点。
かつては不動産の売買と言えば、売り手と買い手の情報の格差が大きく、
営業マンに言われるがまま住宅購入を決めていた人も多いでしょう。
ただ、最近ではインターネットで相場を知ったり、売りに出ている物件に触れることは
誰でも当たり前にできます。
情報に触れる中で、「新築=資産価値が高い」という誤解が解けて、
新築の将来価値の低下の大きさ(住宅なのに消費財としての色が強い)や、
中古の資産としての安定性(損しにくい投資としての色が強い)が
見直されてきたのだと思います。
大きな買い物だからこそ、資産として安全な中古を選択している人が
増えているのかもしれません。

ふたつめは、構造的な安全性です。
旧耐震は怖いよね、新しければ新しいほどいいよね、
という誤解が解け、旧耐震基準の中古でも建て方や管理がきちんとしていれば
実際の被害にあう可能性は低いという事が常識になりつつあるのだと思います。
物件に対しての見方が厳しいフラット35でさえ、
建て方に問題がなく、長期の修繕計画をきちっと立てているようなマンションであれば、
築年数が40年を過ぎていても融資を行ってくれます。
耐震適合証明が取れていない、旧耐震の中古マンションでも融資してくれますから、
かなり中古に対してかなり積極的になってきたなという印象を受けます。
特に中古戸建においては、ホームインスペクションの導入が進んでいますが、
今後は、もしかすると、中古マンションについても管理状態の精査の必要性が
増すかもしれませんね。
いいストックは正しく評価される時代になるかもしれません。



以上、中古マンションが新築を上回ったというニュースを受けての、
中古マンションマンなりの見解でした。


いよいよ中古マンションが当たり前になってきて、ワクワクがとまりませんね!