負動産を残すくらいなら、いっそ借金こさえて死んでくれ

皆様こんにちは。

中古マンションマンです。

 

中古のマンションをこよなく愛する、中古マンションマンです。

 

 

ちょっと過激なタイトルで、

どうやってエクスキューズを入れようかと早速悩んでますが、

別に「借金つくれ!」とか「死ね!」とか言ってる訳ではないです。

ただ、住宅を購入するという事は、意図してもしなくても資産を持つ

ということになります。

そしてその資産を、いつかは誰かが引き継ぐことになります。

そんな視点から住宅購入について考えていきますので、

何か気づきがあれば幸いです。

 

 

不動産じゃなくて「負」動産?

まず前提として、ふたつのことをお話ししますね。

ひとつは、「負」動産について。

もうひとつは、相続の基本的な内容について。

 

「負」動産っていう言葉、聞いたことがあるでしょうか?

最近「負」動産に関する色々な記事が書かれているので、

詳しい解説はお譲りしようと思うのですが、

簡単に言うと、

「負債の様な不動産」

「資産にならない不動産」

もっとざっくり言うと、

「いらないのに手放せない不動産」

というのはわかりやすいでしょうか。

 

兄弟姉妹で実家を取り合っていた時代は終わり、

兄弟姉妹で実家を押し付けあっている時代になりました。

「富」動産ではなく、「負」動産へ。

悲しい現実ですが、人口減少、人口移動が進んでいる中、

いくら不動産と言えど、その存在価値を維持するのは

容易なことではないと言えるでしょう。

 

以下の書籍・記事など大変参考になります。

 

『あなたの不動産が「負動産」になる』

 

週刊東洋経済 2017年1月28日号』

  

負動産(不動産神話の崩壊)

www.at-at.jp

 

不動産暴落で「負動産」に!「いまが買いどき」に騙されるな

smart-flash.jp

 

 不動産が負動産になる時代[野口レポート]

souzoku-adv.com

  

相続の承認・限定承認・放棄とは?

もうひとつ、なんだかややこしそうな相続について

初歩的なところだけざっと見てみましょう。

 

相続税基礎控除枠が減らされたぞー、

というニュースも見聞きした事があると思います。

ここも、細かいところはおいておいて、本題に関わるところだけ。

 

相続をする時に、相続人(遺された配偶者や子供たち)は

・単純承認

・限定承認

相続放棄

のいずれかを選択する事ができます。

それぞれの内容を下記にまとめますね。

 

・単純承認

被相続人の一切の権利義務を承継することになります。

なので、資産も負債もまるっと相続します。

相続開始を知った日から3ヶ月すると、単純承認されたことになります。

 

・限定承認

相続財産から被相続人の負債を支払って、余った分を相続します。

逆に負債の方が大きくても、相続財産で返せない分の負債は

承継する必要がありません。

相続開始を知った日から3ヶ月以内に、相続人全員で、

家庭裁判所に申述する必要があります。

 

相続放棄

遺産も負債もどちらも承継しません、ということになります。

シンプルに、何もいらない!という感じですね。

相続放棄は各々の相続人が個別に行えます。

限定承認同様に、相続の開始を知った日から3ヶ月以内に

家庭裁判所への申述が必要になります。

 

相続についてはSUUMO相続というサイトが便利そうなので、

参考にしてみてください。

souzoku.suumo.jp

 

 

負動産なんて「放棄」しちゃえばいい?

ここまで、「負」動産であったり相続であったり、

話の前提となる内容についてつらつら書いてきましたが、ここからです。

 

相続財産は受け取ることもできるし、放棄もできるんでしょ?

だったら、いらない不動産は放棄しちゃえばいいじゃん!

って考えたくなりませんか?

私だったら、美味しいところだけもらっちゃおうかな、

なんて下心が出ちゃうと思います。

 

ところが、相続においては、前述の3種類しかなく、

「これはいる!でも、これはいらない!」

ということはできません。

 

「死んだ父さんの預貯金は兄弟で分けようぜ!」

「でも実家はいらないから放棄しようぜ!」

 

・・・できません。

 

資産性の高い不動産だったら、
「実家を売って、それを兄弟で分け合おうぜ!」
という事ができるのですが、手放したくても手放せない、

それが「負」動産です。

 

実家の売却・片付け・税金・・・・・

「カツオが磯野家を片づける日」

そんな本を読んだ事がある方はいますか?

40を過ぎたカツオが例のあの家の片付けをしていく物語です。

割と面白かったので、気になれば読んでみてください。

 

何らかのきっかけで実家の片付けをした事がある人はわかるでしょうが、

なぜか実家には「何でこんな物取っておくの?」

と嘆きたくなるような代物が次々に出てきます。

実家を売るにしても貸すにしても、放っておくにしても、

ひとまずは片づけをしないと、実家が廃墟一直線になってしまいますから、

何もしないというわけにはいきません。

(片づけてると、タンスの中から現金が出てきたりもしますし。)

 

一生懸命片づけて、その後この家をどうしようか。

色々な選択肢があると思いますが、例えばそのまま放置はどうでしょう。

いやいや、廃墟一直線ですね、やはり。

あるいは、放置した家でよそ者が事件でも起こした日にはたまりませんね。

日本の空き家の推移をみれば明らかなとおり、実際、放置された住宅は

年々増えていますが、できれば放置は避けたい。

 

となれば、とりあえず売ってしまおうというのも手です。

ただ、「負」動産についてお話ししているわけですから、

売るのも容易ではない。

東京で働いて、お休みの日に地元に戻って不動産屋さんと

打ち合わせをしたり、少しでもよく見えるように、

お部屋の掃除をしたり、なかなかゆっくり休めませんね。

 

そうこうしている間にも、あくまで不動産は資産ですから、

固定資産税は掛かってくる訳です。

すごく迷惑な存在なのに、お金だけ取られちゃうなんて、

何ともしんどいですね。

税金のことを考えると更地にもなかなかできないし。

 

いっそ借金こさえて死んでくれ

と、そんな「負」動産を相続したつもりで考えていると、

ふと、こんなことを思ったりするかもしれません。

 

「いっそ、相続放棄してしまえばよかった。。」

 

とは言え、他の資産との兼ね合いもありますから、

相続放棄をするのも簡単ではありません。

そんなことが頭によぎると、次にはこんなことを考えるかもしれません。

 

「いっそ、負債の方が多ければバサッと相続放棄できたのに。。」

 

「負」動産といえど、土地・建物は負債ではなく資産ですから困りもの。

被相続人が借金まみれで、

 

「お前からの相続なんて俺は関わりたくねぇんだよ!」

 

とか、思い切って言えたならどんなにか気持ちが楽になるでしょう。

 

繰り返しになりますけど、「借金つくれ!」「死ね!」

と言っているわけではないですよ。

でも、「負」動産を相続したらどうなるのか、妄想をしていくと、

辛いですけど、いっそ借金ごと気持ちよく相続放棄できたらな、

なんて思ってしまうかもしれません。

 

と、いう訳で

住宅を購入するという事は、不動産資産を手に入れるという事です。

そして、それは世代を超えて受け継がれていくことになります。

であるならば、住宅を購入するときには、30年後、40年後、50年後、

あるいは、自分の人生が終わるときのことまで想像を膨らませて、

しっかりと考えていただきたいです。

 

当然未来を正確に読むことはできないし、

思った通りに事が運ぶほど世の中は甘くないとは思います。

ただ、人口が減っていますよね、高齢化が進みますよね、

と確定づけられた未来もあるわけですから、

そんな未来を見据えた上で住宅購入について向き合っていただけると、

子供のため・孫のためになるかもしれません。

 

自然の豊かなところで、

広いお庭があるお家で、

子育て世代が多い環境で、

のびのびと子供を育てたい、

 

という考え方は、もしかすると、

長い目で見たときには、子供の幸せにはならないかもしれません。

 

住まいの在り方に、正解はないと思います。

人それぞれの価値観に基づいて、住まいもそれぞれです。

それでも、住宅購入は大きなお買い物ですから、

なんとなくの知識・フィーリングで大きな決断をすることが無いように、

きちんと考えていただければと思います。

 

あれ、中古マンションの話が出てきませんでしたね。

 

まぁいいか、それではまた会いましょう。