老後の生活は住まい次第?〜ライフプランにおける住まいの役割〜

皆様こんにちは。
中古マンションマンです。

中古のマンションをこよなく愛する、中古マンションマンです。 

 

年度の変わり目も近づき、引越しシーズン突入ですね。

何かと「住まい」について考えることが多いこの時期ですので、

もう一歩踏み込んでみましょう。

 

今日テーマとして掲げるのは、

ライフプランにおける住宅資金の果たす役割

です。

 

様々な支出の中でも、死ぬまでずっと必要になるのが住宅費用です。

賃貸だろうと持ち家だろうと住むためのお金はかかり続けます。

そんな、重要な住宅費用だからこそ、活かすも殺すもあなた次第、

しっかり考えていきましょう。

 

1. ライフイベントとお金

生きていくためには日々お金がかかりますが、大きな出費というと、

・結婚費用

・出産費用

・教育費用

・老後費用

・住宅費用

にまとめられると思います。

その中でも教育・老後・住宅は人生の三大支出と言われたりします。

 

それぞれ見ていきましょう。

結婚費用

まずは、結婚式・披露宴・新婚旅行など合わせた、

結婚に関連する費用を見てみましょう。

 

ゼクシィの調べによれば、

婚約から新婚旅行までの費用は、全国平均469.7万円

だそうです。
中古マンションマンはここまでかかりませんでしたね。
 
また、この数字の中からご祝儀や親御さんからの援助が
引かれますから、負担はもう少し減るかもしれません。
 
参考:結婚費用の項目と相場|親ごころゼクシィ

 

出産費用

出産費用は、厚生労働省の数字を引っ張ってきましょう。

 

平成26年の資料を見ると、約49万円ほどになるそうです。

42万円の出産育児一時金があるので、

実際の負担は数万円程度で済む家庭も多いでしょうね。

 

参考:厚生労働省保険局

 

教育費用

ここからが三大支出ですね。

 

教育に必要なお金は、公立・私立の差や習い事の有無など

ばらつきが大きいとは思いますが、一旦文部科学省の数字を

引っ張ってきましょう。

大学卒業までに各家庭が負担する平均的な教育費は,公立の幼稚園から高校まで在学し国立大学に進学した場合が約1,000万円,それらが全て私立の場合で約2,300万円に上ります。

というように、大学まですべて国公立の場合でも、

ざっくり1,000万円というところになりますね。

 

教育にはお金がかかりますね。

特に大学入学時の負担が大きいので、

ファイナンシャルプランナーの方と相談すると、

ひとつ目のゴールは子供の大学入学に設定される事が多いようです。

 

参照:第1章 家計負担の現状と教育投資の水準:文部科学省

 

老後費用

「生きることのリスク」という、

何とも生きることが辛くなりそうな言葉を聞くことがあります。

生きるためにどうしてもお金はかかりますからね。

 

総務省の家計調査年報を見ると、世帯主が65歳以上の

世帯人数2人以上の世帯における毎月の消費支出額は、

約25万円になるそうです。

(参照 表Ⅱ-1-1)

 

毎月25万円だと、1年間で300万円、

65歳から80歳の15年間だと、単純計算で4,500万円が必要になります。

 

参照:総務省 家計調査年報概況

 

住宅費用

生きている間、よほど特殊な理由がない限り、

どこかに住んでいることになります。

実家かもしれないし、賃貸マンションかもしれないし、

持家かもしれないし、老人ホームかもしれないし。

 

独立してから、死ぬまでに負担する住宅費用も人によって

バラバラになるので、一旦「住宅購入費」を採用してみましょう。

住宅金融支援機構が発表した、首都圏のマンション購入者の

平均購入価格を見てみると、約4,851万円となっています。

 

参照:住宅金融支援機構 2015年度利用者調査 

  

2. 特に読めない「老後資金」

上の項で出てきた数字をまとめると、

・結婚費用 → 約470万円
・出産費用 → 約49万円
・教育費用 → 約1,000万円~
・老後費用 → 約25万円/月
・住宅費用 → 約4,851万円

という感じです。

 

この中で、特に大きな支出となるのは、

やはり教育・老後・住宅の三大支出ですね。

「教育」と「老後」の費用については、

学資保険に入ったり、生命保険に入ったり、

投資で積み立てたりして備えることになりますね。

 

ただし、老後費用というのが厄介なもので、

いつまで生きるかわからないし、毎月の支出とは別に、

突発的に、緊急的に大きなお金が必要になったりします。

 

例えば、老人ホームに入ることになったらどうでしょうか。

場合によっては入居に際し、数百万~数千万円の入居一時金

が必要になるケースもあります。

例えば3,000万円の貯蓄があっても、あっという間に大半が

無くなってしまう事もあり得ます。

 

実は、この不安定な老後資金を捻出するために、

住まいに支払っているお金はとても重要です。

毎月しっかりと資産を積み立てることで、

いざ老後にお金が必要になった時に、

あっという間に大金を作ることができます。

 

3. 「住まい」の選択肢

上で述べたように、住宅資金は老後資金に流用することができます。

ですので、住まいの選び方というのが肝になりますから、

どのような選択肢があるのか考えてみましょう。

 

・ずっと賃貸

新築マンション購入

・戸建住宅購入

・中古マンション購入

 

というように分類でき、大きく分けると「賃貸」か「購入」。

購入の中で「新築マンション」「戸建て」「中古マンション」

という風に分類してみました。

それぞれ見てみましょう。

 

ずっと賃貸

まず考えられるのは、ずっと賃貸に暮らすという選択肢です。

当然、住宅を不動産資産とすることはできませんが、

ライフスタイルの変化に対応しやすいので、

状況毎に必要な場所や広さを吟味し、

ランニングコストを減らすことはできます。

 

ただし、家賃はあくまで掛け捨てなので、

ランニングコストを抑え多分で計画的に資産を蓄積・運用する必要があります。

歳を取ってからの生活資金のショートだけは避けなければなりません。 

 

新築マンション購入

住宅を購入する、ということを考えた時に、

真っ先に思い浮かぶのはこれかもしれません。

東京の湾岸に建ち並ぶタワーマンションなんか憧れますよね。

 

実際、都心部の大型マンションを購入する資力があるのならば、

新築マンションを買うというのは賢い選択だと思います。

価値の目減りがあったとしても、まとまった不動産資産を持つことができますからね。

一点気をつけるとすれば、自分がこのマンションの資産価値を維持する

(=高く売れる状態を保つ)

ということは意識しないとスラム化する可能性もあります。

管理組合がゼロから立ち上がるわけですから、ひどい方向に走っていく可能性もなくはないですもんね。

 

都心部から離れたエリア、駅から離れたエリアで新築マンションを買うのならば、

毎月返済している住宅ローンは掛け捨ての家賃とほぼ同等と考えた方がよいでしょう。

資産でもなんでもなくなる可能性があります。

以前の記事でも吠えました。

chukomansionman.hatenablog.com

 

戸建住宅購入

夢のマイホーム、というと戸建のイメージになりますね。

容易に売却できる場所で土地・建物を所有するのであれば、

いざという時にまとまったお金が手に入るので所有する意味があります。

 

あるいは、暮らしの満足度を上げるため、と割り切って建物にお金をかけ、

土地は安く済ませるという選択もあり得ます。

それはそれであるべき住まいの形でしょう。

 

一番救えないのが、「土地を持っていれば資産になりそうだから」と、

中途半端な場所に建売のペンシルハウスを買ってしまう人ですね。

人口減・高齢化が約束されている日本ですから、将来の売り貸しは苦労するでしょう。

そもそも、住宅用地としてこれ以上分割できないサイズまで

小さくなっているのがペンシルハウスですから、

業者が買ってくれる、ということも期待しにくいですね。

 

中古マンション購入

そして、中古マンションです。

中古マンションは購入時と売却時の価値の目減りを小さくできる、

という点での安心感はあります。

経年による価値の変動が少ないので、安定性という面では評価できるでしょう。

 

新築・戸建と比べて流動性はどうかと言えば、ケースバイケース。

好立地かつ管理状態も良好なマンションであれば、

たとえ現在築年数が古かろうがスピーディに売却できる可能性は高いです。

 

ただし、ある程度立地を捨てて中古マンション購入を考えるのであれば、

築年数が経ち価格が下がりきったもの、かつ、管理良好なもの、

を選ぶ必要があるでしょう。

 

立地を捨てる以上流動性が低くなることも見越し、

それでもなるべく売却時の損が出ないよう、

パイは少なくても、買取業者含めて誰かが買う物件であれば、

さほど困ることはないでしょうね。

 

4. それなら中古マンション

それぞれのケースを見てきましたが、今回のテーマである、

ライフプランにおける住宅資金の果たす役割

という面で見ると、「老後資金」を確保するため、という側面が強くなります。

子育て真っ盛りの時に家を売却して教育資金を得ることは現実的では無いですし、

そもそも購入時の予算組みを間違えているということですからね。

 

老後資金を確保するために一番大切なのは「流動性」です。

必要になった時にすぐに現金化できないと困りますものね。

その次に来るのが「安定性」です。

購入した金額になるべく近い価格で売れると不動産を所有している

ということのお得感が大きくなりますよね。

 

流動性・安定性の2点を考えると、考えられる選択肢は2つあります。

ひとつは、新築・築浅の「超」好立地のマンションを購入する。

もうひとつは、中古の好立地のマンションを購入する。

の2つです。

 

新築である以上、経年での価格変動を考えると、安定性には劣りますが、

それでも「超」好立地、例えば目黒駅前に開発中のマンションなどは、

経年での価格変動は少ないことが見込まれます。

数十倍の募集倍率を誇るマンションですし、

ターミナル駅の駅前のマンションだという稀少性が高いですから、

そういうものを持つというのは、資産性という意味でもいい選択だと思います。

 

ただし、「超」好立地なので金額が高いことだけはネックです。

普通のサラリーマン世帯が簡単に手が届く金額では無いというのは、

正直なところだと思います。

 

であれば、好立地の中古マンションは一般的な選択肢として

受け入れやすいのでは無いでしょうか。

価値の安定性については、購入時と売却時の目減りが小さければいいので、

「超」好立地である必要はありません。

人が大きく減らないであろうエリアで、かつ、駅から徒歩圏内であれば、

そこそこ人気のエリアであれば価値の下落も小さく、

スピーディに売却できる可能性も高いです。

少なくとも、中古流通が当たり前になりつつある、

現状の首都圏ではそのようなものは次々に売れています。

 

無理に住宅購入の予算を上げなくても、

無理のない予算に見合うエリアを見つけてあげればいいのです。

中古なので選択肢はたくさんありますからね。

 

これから中古流通が加速されることは目に見えてますから、

立地だけでなく、マンションそのものの状態も重要性が増し、

立地◯・管理◎みたいなマンションが評価されるでしょう。

 

5. まとめ

長くなったので、まとめます。

 

住宅にかけるお金は老後に備えた積み立てになるので、

将来価値が下がりにくく、売れやすい住まいを持ちたいものです。

しかし、超好立地の新築はとても価格が高いのも事実なので、

超がつかなくとも好立地で管理の良い中古マンションを選べば、

老後への備えとしては十分と言えるでしょう。

 

おまけで付け加えるとすれば、中古マンションであれば、

リノベーションなどでそれぞれの暮らしに合わせた住まいづくりができ、

日々の暮らしの満足度も向上させることもできるかもしれませんね。

 

賃貸でも購入でも、死ぬまで暮らしのベースとなる住まいですから、

毎月の住宅費をうまく活かして、将来の備えとしたいですね。

 

では。