管理費・修繕積立金がイヤだから戸建がいいという人がいるけれど

皆様こんにちは。

中古マンションマンです。

 

中古のマンションをこよなく愛する、中古マンションマンです。

 

 

住宅購入を考えるとき、色々な選択肢がありますよね。

中古マンションマン的には、都市生活者(首都圏に限らず)は

中古マンションを買うのがオススメですが、

とは言え、家の買い方については悩むところだと思います。

 

中には、戸建に住みたいという人もいますね。

ただ、自分たちの理想のライフスタイルを熟考した上で

戸建に住みたいと結論づけるのであればいいのですが、中には、

 

 ・「家を持つ=戸建を買う」という既成概念に囚われている人

 ・管理費や修繕積立金がかからないから戸建がいい

 

というような、トンデモナイ理由で戸建を求める人もいます。

今回は、後者の管理費・修繕積立金というところについて書いてきます。

住宅購入を考えている方は参考にしていただければ。

 

本当にモッタイナイお金なの?

トンデモナイ話に聞こえますが、

「管理費・修繕積立金」というランニングコストがかからないから、

という理由で戸建に気持ちが傾いている人は割と多いように思います。

なので、まずは、建物の維持管理の実際について考えてみましょう。

 

実際にシミュレーションしてもいいのですが、

戸建vsマンションの比較はよく行われていますから、

他の記事を参考にしていきましょうね。

 

例えば、LIXILリアルティ.comによれば、

マンションVS戸建て、生涯コストは同じくらい

と結論づけています。

purchase.lixilrealty.com

 

さくら事務所の田中歩さんの記事もとても参考になります。

戸建住宅のライフサイクルについての論文をもとに、

月額3万円程度の修繕積み立てをしながら適宜修繕していけば、

一定の価値を保ちながら長く住宅を使うことができる

ということを指摘しています。

style.nikkei.com

 

これらの記事を一言でまとめますと、

戸建もマンションも修繕にかかるお金は変わらないよ!

ということが言えると思います。

管理費・修繕積立金という名目で毎月積み立てられるか、

自身で貯蓄をしていくか、という違いですね。

 

ただし、これはあくまで必要な「お金」の話であって、

かけたお金がどれくらいの価値を持つのかという点については、

戸建とマンションの修繕において大きな違いがあったりします。

その辺りも見ていきましょう。

 

未然に防ぐか、事後に対処するか?

家は路上に放置されている。

セコムのCMで、こんなコピーがありました。

 

セコムなので、当然セキュリティについてのコピーなのですが、

私はそれを見て、

確かに建物って雨ざらしだよな、雨に弱いのに...

ということを感じました。

 

木だって雨に弱いし、鉄筋コンクリートだって雨に弱い。

それでも路上に放置されて雨ざらしになるしかないのが、

住宅の宿命と言えます。

 

であれば、建物を維持するために最も重要なことは何かと言えば、

雨との戦いだと言っても良いかもしれません。

(いや、少し言い過ぎな気もしますが。)

 

戸建とマンションの修繕で大きく違う点は、

 ・何かが起こってから問題に対処するのか(戸建)

 ・何も起こらないように計画的に予防するのか(マンション)

といったところになると思います。

 

雨との戦いについて言えば、

ほとんどの戸建住宅は雨漏りが起こって初めてその対処に乗り出します

一方でマンションについて言えば、プロの管理会社が作成した、

長期間にわたる修繕計画に基づいて、建物を維持するための修繕が行われます

例えば、5〜6年に1度行われる屋上防水であったり、

10〜15年に1度行われる大規模修繕(壁面防水)だったりします。

 

そのままで価値を保てますか?

中古の価値が見直されている、という話を耳にすることが増えてきました。

ただし、何でもかんでも「古くても良い」とは国としても考えておらず、

いいものはいい、ダメなものはダメ、と評価が二極化することが予想されます。

 

高いお金を払って手に入れた住宅ですから、

できれば価値を保ちたいと思うのは当たり前の気持ちだと思います。

ただ、建物の維持管理について何も考えずに住み続けると、

気付くと価値を下げる結果になるかもしれません。

 

というのも、「住宅履歴」の重要性が増しているからです。

きちんとしたメンテナンスがされてきたのか否か、

客観的な資料としての「住宅履歴」の内容が建物の評価対象として

より重要視される未来が容易に想像できます。

ホームインスペクションを促す法改正も行われましたからね。

www.fudousan.or.jp

 

戸建であれば、自身の判断で「何も修繕しない」ということも可能です。

しかし、二極化が進む中古住宅流通において、

価値を保つことを考えると「何も修繕しない」という選択は

なかなか現実的ではないと言ってよいでしょう。

 

プロに任せっきりでも大丈夫?

とは言え、マンションだからプロに任せっきりでいいわけではありません。

適正な管理がされているのか、住人全体=管理組合としても

目を光らせる必要はあります。

 

最近話題になったこんな記事もありました。

www.reform-online.jp

 

「管理会社=プロ」と「管理組合=素人」で進めていくマンション管理では、

管理組合としても高い意識を持つことが大切です。

例えば、管理組合向けのコンサルティングサービスを活用するのも

ひとつの対策と言えるでしょう。

www.s-mankan.com

 

 

戸建を買うこと、建てることは別に悪いことではありません。

ただ、もしも「ランニングコスト」という点で戸建を検討しているのであれば、

大きな買い物ですから、しっかり考え直した方が良いでしょう。

 

それでは。