『拡大する既存住宅の取引市場』が面白かったので

皆様、こんにちは。
中古マンションマンです。

中古マンションをこよなく愛する、中古マンションマンです。

 

最近リノベーションネタばかりでしたが、
Twitterで気になるレポートがタイムラインに流れてきたので、
流し読みしてみました。

『拡大する既存住宅の取引市場』
というタイトルで、住宅金融支援機構の主席研究員の方が
既存住宅の取引動向について解説しています。
まずは、レポートを読んでみてください。

http://www.jhf.go.jp/files/400344572.pdf

今回は、このレポートを読んでいて気になった箇所を抜粋して
紹介していきますね。
なんだか、まとまりのない感じになりそうですし、
原文一通り読んでからじゃないとポカーンかもしれません。

まぁ、それはそれで。
いきましょう。

 

2016年、首都圏マンション市場において、
中古マンションの成約数が新築分譲マンションの供給数を上回り、
既存住宅の市場拡大を印象付ける出来事があった

そうそう、メモリアルイヤーでしたね、2016年は。
首都圏という限られたエリアではあるものの、
初めて、中古マンションが新築マンションを逆転、
という事態が起こりました。
そういえば、このブログでも書きましたね。

chukomansionman.hatenablog.com

 


既存住宅の取引量は、2008年度以降、年間30万件余りであったが、
直近2016年度にはマンション(区分所有)を中心に、
38万件に取引が増えてきている

2008年は14.7万件(中古全体32.1万件)だった中古マンション流通が、
2016年は18.0万件(中古全体38.0万件)と約3.3万件の増加となりました。
中古戸建てのプラス1.0万件という増加数と比べると、
中古マンションの存在感が大きくなってきたことがわかります。

 


2016年度38万件の取引形態別シェアは、既存住宅取引の主流である
CtoC:一般消費者間が49.2%、CtoB:一般消費者から企業が25.8%、
BtoC:企業から一般消費者が20.5%、BtoB:企業間が4.2%となっている

中古流通が活発化する中で、CtoB、つまり業者による買取が目立ちます。
全体の中古流通の1/4は業者による買取りとなっています。
それじゃあ再販業者は儲かっているのかというと、そんなに簡単では無いようです。
ちなみにこの割合って地域特性とかあるんですかね?

 


最近の調査によれば、所有したい住宅について、
新築住宅とする割合が減り、新築・中古どちらでもよいとする割合が増えている

平成23年度と比べると、
新築   :▲6.6% (63.3% → 56.7%)
どちらでも:+8.3% (29.5% → 37.8%)
中古   :+1.0% (1.3% → 2.3%)
となっており、中古に対する抵抗感が減っていることが見て取れます。
とは言え、それでも過半数は「新築がいい」と考えているんですね。

 


2016年に首都圏で供給された新築マンション3.5万戸のうち
4割近くが駅から徒歩5分以内の駅近物件であり、1990年代後半以降、
こうした駅近物件の割合が高まっている。

これ、知りませんでした。
新築だとなかなか好立地に建ちにくいと考えていたのですが、
駅近の新築マンションが増えているんですね。
再開発が進む地区では大型マンションやタワーマンションが建てられ、
駅近の戸数を増やしているということもあるのでしょうか。

 


「築31年以上」の古い物件では、3割近くが5分以内の駅近物件で、
10分以内では6割以上となる。

やはり古くても好立地なものは戦いやすいんですね。
駅近(10分以内)『率』では築31年以上は61.7%、築5年以内は78.2%となり、
築浅の方が高い数字となっていますが、駅近『数』でいうと、
それぞれ約4138件、約2367件となります。
数でいうと古い物の流通数が圧倒的ですね。

 


築年数ごとの平均価格は、築年数と距離(立地)によって
十分説明できることが確認できた。

シンプルですね。
中古マンション価格は築年数×立地だと。
管理面に対する評価なんかがこれから影響度を大きくしてくれるといいですね。

 


1965年から1999年までの35年間を通じた平均価格は、
改修済2,036万円、未改修1,474万円となり、
改修済の方が563万円高くなる。

ふむふむ、再販で儲けやすい土壌だったと。
現況でボロけりゃ安い、みたいな空気だったんでしょうか。

 


2000年以降、改修済と未改修の価格差が縮小し、
2015年までの16年間を通じた両者の価格差は、
ほぼイーブンとなり、それまでとは様相が異なる。

そうですよね、再販してもなかなか高く売れない、
現況でもなかなか安く仕入れられないという状況ですよね。
こうなってくると、よほど力のある再販会社じゃないと、
それをメインでやっていくことは厳しくなりますよね。
弱い者は淘汰されていくマーケットになっていると。

 

 

気になったところの抜粋なので、バラバラな感じになってしまいましたが、
中古マンションの流通が活性化していて、
築古でも駅近の物件は特に活発に取引がされている。
買取再販会社による一般消費者からの買取が増えているが、
再販で利ザヤの取りにくいマーケットになっている。
という事が分かりました。

 

ここから先、どうなるんでしょうね。
長い目で見たら、好立地なところはCtoCの取引に回帰し、
立地で劣るところはCtoBの取引の割合が増える、
と、そんな気がしています。
好立地なところでは売主は売却に困らないので、
事情が無ければわざわざ安く業者に売る必要はない一方で、
立地で劣るところでは、なかなか売れないマンションを、
売れないよりはいいと、安い価格で業者に売却する。
そんなシナリオが描けそうです。

では。